【1956年(昭和31年)11月19日】鉄道電化の日

歴史を振り返る~今週の出来事~

この日は、1964(昭和39)年に、鉄道電化協会によって制定されました。

1956年11月19日に、東海道本線の米原~京都間が電化された出来事にちなんでいます。

この電化により、東海道本線全線が電気を動力とする鉄道となり、東京から大阪間を7時間30分で走行できるようになりました。

つまり1956年まで、同区間は蒸気機関車やディーゼル車(石油を燃料とする車両)が走っていたということです。

いまや私たちの日常生活に欠かせない鉄道ですが、日本で初めて走行したのは1872(明治5年)年、今から150年以上も前のことです。

当時、日本を除くアジア各国は軒並み欧米の植民地と化しており、それらの轍を踏まぬよう日本は強い国だという姿勢を見せる必要があったため、明治政府は富国強兵の一環として鉄道事業を推し進めることになりました。

1872年、イギリスの資金・技術援助で鉄路が完成し、ついに横浜~新橋間において日本最初の鉄道が開業しました。

そして明治7年に大阪~神戸間、明治10年に大阪~京都間で鉄道が開通し、さらには明治22年に東海道線が開通するに及び、東京~大阪間の交通の大動脈が完成したのでした。

東海道を江戸から京まで、平均11泊12日かかった行程が1日に短縮されたのです。

日本で最初に電気鉄道(いわゆる「電車」)が走ったのは1895年(明治28年)、京都の塩小路東洞院−伏見京橋間でした。

今では当たり前の存在となった電車ですが、当時は最新技術の塊だったことは言うまでもありません。

蒸気機関車に比べると、噴煙を出さない上に発車準備も不要、方向転換時の機関車の付け替えもいらないなど多くのメリットがあり、都市部の鉄道から徐々に採用されていったのです。

そして1956年、東海道本線の電化工事が完了したことで、特急「つばめ」が東京~大阪間を7時間30分で走れるようになりました。

東海道本線開業当時は同区間に12時間以上かかっていました。

さらに、1964年(昭和39年)に登場した新幹線「ひかり」は、東京~新大阪間を3時間10分で走行。

その後も日本中にネットワークが拡大され、全国を短時間で移動できるようになりました。