日本で初めて宝くじが発売されました。
宝くじの正式名称は「富くじ」といいます。
世界で最も古い賞金付きの公共の富くじの記録は15世紀半ば、町の建設などの資金調達のためにオランダで発行されたものです。
日本の宝くじの発祥は1624年頃、摂津国(現在の大阪府)の箕面山瀧安寺で始まったとされる「富会(箕面富)」です。
この「富会」の仕組みは、正月の元旦から7日までに参詣した人々が、自分の名前を書いた有料の木札を唐びつの中に入れます。
最終日の7日に寺の僧がキリで3回で突き、3人の“当せん者”を選び、選ばれた人には福運の“お守り”「大福守」が授けられました。
その後、「富会」が全国に広がっていくとともに、金銭のやり取りが行われていくようになり賭博性の高い「富くじ」に変化していきました。
そのため政府は富くじの禁止令を出し、第二次世界大戦まで富くじは行われませんでした。
1945年7月になると、政府は軍事費の調達をはかるため、1枚10円で1等10万円が当たる富くじ「勝札」を発売しました。
しかし、抽せん日を待たず終戦となったため、皮肉にも「負札」と呼ばれるようになってしまいました。
同年10月28日、政府は、戦後の激しいインフレ防止のため、「宝くじ」という名前で政府第1回宝くじを発売することになりました。
ニセモノも出るほどの人気で、1枚10円、1等10万円、カナキン(布)50ヤールつき、ハズレ券4枚でキンシ(たばこ)10本がつく、という宝くじでした。
さらに戦災によって荒廃した地方自治体の復興資金調達をはかるため、各都道府県が独自で宝くじを発売できることとなり、1946年に地方くじ第1号「福井県復興宝くじ」が登場しました。
政府宝くじはその後廃止となり、地方自治体が独自または共同で発売し、まちづくりのために役立てられる「宝くじ」として現在に至ります。