【2013年(平成25年)2月15日】ロシアに隕石が落下しました。

歴史を振り返る~今週の出来事~

2013年のこの日、小惑星が地球の大気圏に突入、ロシア南部のウラル地域、チェリャビンスク州に落下しました。

1000名を超える負傷者、衝撃波による建物の破損など多数。

被害総額は3300万ドル(約40億円)に上るという、史上初めて大規模な人的被害をもたらした隕石による災害です。

2013年11月には、オリガ・ポポーヴァら世界中の59名の研究者の共著で、サイエンス誌に落下を詳細に分析した論文が掲載されました。

それによると、突入した隕石の元の質量は1.3万トンで、直径は15~25mあったとされています。

撮影された映像などを詳細に分析したところでは、隕石が高度90kmに達したとき大気中に最初の衝撃波が生成され、83kmで隕石が分解し始めチリが形成されました。

この過程は高度54kmで加速し、高さおよそ30kmまで降下したとき、火球は最も輝きました。

このときの火球は、火球から100 km以内で太陽よりも明るくなり、火球からの紫外線により屋外にいた人の何人かは日焼けを負ったそうです。

そんな隕石の衝突ですが、長い地球の歴史の中では珍しいことではなかったことが、地表に残るたくさんのクレーターから明らかになっています。

そもそも宇宙には大小さまざまな岩石が漂っており、特に火星と木星の軌道の間には『小惑星』とよばれる岩石が数多く存在します。

小惑星同士が衝突するなど、何らかの原因で通常の軌道からそれた岩石が地球に近づくと、地球の引力に引っ張られて落ちてきます。

そして大気圏に突入すると、空気との摩擦で燃えます。

これは、流れ星として見ることができます。

このとき、小さな岩石は燃え尽きてしまいますが、大きな岩石は燃え尽きずに、隕石として地表に落ちてくるのです。

確認可能な過去の事例が少ないこともあり、私たちが隕石に当たる確率を出すのは難しいとされています。

Meteor glowing as it enters the Earth's atmosphere. Elements of this image furnished by NASA

アメリカのテュレーン大学の地球科学教授スティーブン・A・ネルソン氏は、2014年にこれを試み、論文で発表しました。

それによれば、人が一生の間に局地的な隕石、小惑星、彗星の衝突で死亡する確率は「160万分の1」だといいます。