東京初のホテル「帝国ホテル」が誕生しました。
帝国ホテルとは東京都千代田区にある、日本を代表する高級ホテルです。
ホテルオークラ、ニューオータニとともにホテル御三家として知られています。
帝国ホテルは明治維新の混乱も落ち着いたころ、海外からの賓客をもてなすため、渋沢栄一を筆頭とした政官財のリーダー達が、国の威信をかけて創り上げました。
鹿鳴館の北隣に建てられました。
なお渋沢栄一は1890年の開業当時から1909年まで経営に携わり、初代会長も務めています。
国の威信をかけ、外交の拠点のひとつとして活用された帝国ホテルは、「日本の迎賓館」という役割を担い、その歴史を歩み始めました。
帝国ホテルは、近代的な設計だけでなく、日本らしい装飾を取り入れた内装や独自のサービスでも世界から高い評価を得ました。
帝国ホテルでは、これまで数多くの日本初の試みを行ってきました。
いまとなっては定番のバイキング形式の食事も、実は帝国ホテルが始めたものです。
当時、新館料理長だった村上信夫が1958年8月に、ビュッフェ形式のレストラン「インペリアルバイキング」をホテル内に開店したことに由来しています。
日本ではそれ以降、食べ放題スタイルの代名詞として『バイキング』という言葉が定着したのです。
現在のホテルウエディングのサービスが導入されたのも帝国ホテルが日本初です。
1923年9月に発生した関東大震災により、多くの神社・仏閣が焼失してしまったことを受け、ホテル内に神殿を設置しました。
お支度から挙式、披露宴、記念撮影までをホテル内で一貫して、すべて行えるのがホテルウエディングの始まりです。
大正時代に帝国ホテルが発案した同サービスは、その後、国内の多くのホテルでも導入され、日本独自の文化として発展していきました。
このほか、日本初のホテル内ランドリーができたのが1911年、約20店の店舗を集めた日本初の「アーケード」ができたのが1922年、といった具合に帝国ホテルが始めた”日本初”は数知れずです。
これもゲストの快適性に寄り添ったサービスを考え続けてきた結果と言えます。
また、1966年には日本初のディナーショーを開催。
雪村いづみによる「チェリーブロッサムショー」がその最初とされています。
今も昔も帝国ホテルの根底にあるのは、日本人ならではの心を尽くしたおもてなしの精神です。
日本の迎賓館として出発した自負心ゆえに、伝統と品質を保ちながらサービスを柔軟に変化させてゆくこともできています。